菩鋳螺「ぜっていに元に戻してやるそれまで待っていてくれ」
光儀「ごめん…後で必ず助けるから絶対に!」
敵はゾンビというものの、かつての知人であり、部下であり、もしかしたら家族であるかも知れないのだ。しかし、そこで臆していては彼らを救うことなどできはしない。
敵を人と思わず、アンデッドとさえ思わず、ただ「倒すべき敵」として認識するだけである。
鍋野沙子「元パイロットでしたので、視力はいいです」
沙子がさっと飛び出し、敵からは見えにくい位置から様子をうかがう。
鍋野沙子「あっちに見えます。もう視力関係ないくらいたくさん来てますけど」
栗田雷一「総員、杖構え!」
号令でザッと杖が一斉に掲げられる。
栗田雷一「唱え!」
詠唱開始。理力使いたちが唱える呪が次第に大きくなっている。その間に、物見に出ていた鍋野沙子が敵中心を指さした。
栗田雷一「放てー!」
貯められた力場が一気に放出され、敵の先鋒部隊を吹き飛ばした。
しかし敵の進撃スピードはゆるまない。
栗田雷一「くそう、次々出てきやがる」
栗田は仲間を叱咤し、自分をも奮い立たせた。
栗田雷一「休んでいる暇はないぞ!次の詠唱準備!」