先行した奇襲部隊からの連絡を待ち、初心級空母は待機していた。
らうーる「奇襲部隊より入電。敵本隊への奇襲に成功したようです。」
艦橋に歓声がわく。「よし!」「いける!」
きみこ「さすが精鋭部隊。絶対に結果を出してくださる方々ですね」
きみこはわずかにほっとした表情を見せた。戦局を左右するという奇襲が成功したのだ。
えるむ「艦長、悪童元帥より命令が。艦隊、突撃です。」
きみこは一瞬で表情を厳しく改めた。
きみこ「了解。初心級空母、所定の陣形を組み、艦載機を発進させる。」
えるむ「奇襲部隊の攻撃についても、解析データが入ってきています。」
きみこ「よし。報告こちらへまわせ。」
らうーる「展開中の部隊より情報が。そちらに転送します。」
えるむ「艦載部隊のオペレート体制、確認中です。急ぎます。」
らうーる「データリンク構築、完了しました。順調に稼働中です。」
らうーる「レーダーにて敵影補足しました。まもなく戦闘空域に突入します。」
空母は他艦と突撃陣形を組み、敵艦隊への万全の攻撃態勢を整えた。
きみこ「さあ、レーザー爆撃で我々の心まで折ることができると侮った者達に、辺境人の意地をみせてやりましょう。」
らうーる「電磁カタパルト、スタンバイ。」
きみこ「全機発進!」
えるむ「了解。全機発進へ。ご武運を。」
発艦した部隊が戦場に吸い込まれていく。奇襲部隊に翻弄される敵艦隊にとどめをさす為に。
きみこ「よし。彼らはきっとやってくれる。」
えるむ「絶対物理防壁、展開準備OKです。情報通信との同調、確認済みです。」
きみこ「気を緩めるな。敵艦載機の発進に備え、対空戦用意。」
667文字