1.作業内容の分析

今回の確認作業を種類ごとに分けると、以下の3つに分類できます。


A作業:提出された資料の中に必要な情報が含まれているかの確認
(例)四季の絵があるか、派生元と繋がりがあるように見えるか、等の確認作業


B作業:提出された資料が要綱を満たしているかの確認
(例)文字数が600文字以上か、等の元情報との比較だけで確認できるもの


C作業:1〜2の結果が要綱を満たしているかの確認
(例)イラスト分類、最終判断、等の判断に判断を重ねるもの。


また、作業の流れとしては以下のようになっていました。


作業1担当者=上記A〜C作業を行い報告
作業2担当者=クロスチェックと差異があった部分の再確認
作業3担当者=報告の集計と差異があった部分の再々確認
作業4担当者=報告の最終集計と重要なポイントの再確認
作業5担当者=作業1〜4の結果を元に提出資料の作成


2.作業内容の問題点
・作業段階と作業難度が比例していない
  作業1の報告結果が場合によってはそのまま最終報告となる事を考えると、最初から高度な判断を求められる状態にあったと言えます。 

  そして、工部尚書に割り振られた作業員の全てが作業1を行っていた事から全員に高い能力と判断力が求められている状態でした。


  吏族出仕未経験者に手伝ってもらう事を前提に考えると、作業1に割り振られる仕事は能力・判断力に自信が無い人でも問題なく作業できる内容である事が望ましいと思います。


・確認結果報告に合格・不合格しか選択肢が無い今回の作業では、判断が難しい項目に関しては後続作業者に再度確認してもらうという事になっていました。


  しかし、チェック結果の提出書式上では、合格・不合格のどちらかしか選択肢がなかったという事と、『イラストの中に四季に該当する要素があるか?』といったあいまいなものを確認する作業がメインである事からはっきりした判断がを下せる件数の方が少ない、という結果になりました。


  これにより、予想以上の再確認作業が発生し、さらに平日であった事から夜〜夜中の作業を余儀なくされ、後続作業者への大きな負担となってしまいました。

  (参考1)寂水@FVBが作業にかかった時間

  作業1=2.5時間
  作業3=8〜9時間

  後続作業者になるほど作業時間が増えていく傾向にあった。

  

  (参考2)寂水@FVBが作業3の際に再チェックした件数

 担当アイドレス 92個中、72個で何らかの再チェックが必要だった。
 さらにその中の51個が要点と周辺環境の再チェックだった。

  作業1担当者の殆どが判断に迷っていたのが伺える。


・全ての判断を人が行っている
  提出された報告のクロスチェック・集計・再確認が必要かどうか、といった作業過程の多くの場所で人の判断が必要とされていた。

 これにより、集計や確認だけでなく判断を行うための労力が消費され、作業者の体力・精神力を消耗する大きな要因となっていたように思える。


3.作業内容の改善案
・作業段階と作業難度が比例していない事について
  初期の作業であるほど作業難度を下げるよう作業割り振りを調整する。


  例としては以下のような感じになります。
   作業1=作業A、Bのみ行う
   作業2=クロスチェックと作業C
   作業3=集計と作業Cの確認
   作業4〜5=重要事項の最終確認  


  初期作業を簡易化する事で一人当たりの処理可能数を増やし、3人以上の多重チェック体制を敷く事で急な欠員が出ても問題なく稼動できるような仕組みが理想です。
  

・確認結果報告に合格・不合格しか選択肢が無い事について 
  今回の場合は合格か不合格か、という2択ではなく基準をどれぐらい満たしているか、という観点で報告できる体制の方が良かったかもしれないと思います。


  例としては以下のような感じになります。
   5=基準を完全に満たしている
   4=3と5の中間
   3=判断がつかない
   2=3と1の中間
   1=基準をまったく満たしていない


  周辺環境【火山】の場合の例
   5=火山が書いてあるのがはっきりわかる
   4=たぶん火山と思われるものが見える
   3=山らしきものが遠く見えるが、これが火山に当たるかどうか判断できない
   2=設定文では火山となっているが、どう見ても火山に見えない。
   1=火山にあたる要素が全く無い


  これに関してはチェックする内容によって何が最適なのか変化するので
  その都度考える必要はあると思います。


・全ての判断を人が行っている事について
  上記の例のように報告結果を数値で提出してもらい平均値を算出する、数字のバラツキ(最大値と最小値の差)を見る、といった分析をエクセルの関数等を利用して自動的に行なう事で判断にかける労力を軽減する事ができると思います。


  例としては以下のような感じになります。


  平均4より上=合格
  平均2未満=不合格
  それ以外=再確認
  平均すると合格ではあるが、評価2以下がある=再確認 


  これにより、判定結果を目で見て確認・判断するという手間が省けます。


  また、各作業員の結果を数値で提出してもらう事で後から判断基準が変わった場合でも素早く対応できるようになりますし、結果を様々な角度から分析できるようになります。

4.まとめ
  状況に合わせた最適な評価方法を選択し、役割に合った仕事を割り振り、なるべく楽をしながら必要な判断を的確に行う、というのがコンセプトです。  

  また、今回の作業に改善案を適用した場合の例として参考資料を作成しました。
  この画面の下部の添付ファイル部分に『改善レポートの参考資料』という名前で置いてありますのでよろしければご参照下さい。

  欠点として、この改善提案はエクセルを使用する事を前提に考えているので使いこなせる人が少なかった場合はまた別の手法を考える必要がある事と、プランニング作業に対してさらなる負荷を要求するものである、という事です。

  尚書の方々には今でもかなりの負担がかかっている事を考えると、フォーマットやチェック方法については意見を公募する、といった方法等で負荷を減らすことも重要なのではないかと思います。


改善提案のレポートは以上となります。


最後に、吏族試験3級保持という立場にありながら、作業分担の確認不足による作業遅延という問題を発生させてしまい後続作業の方々と尚書のみなさまには大変な迷惑をかけてしまい大変申し訳ありませんでした。
以後はこのような事が無いよう誠心誠意努めたいと思います。


経緯説明と謝罪文はコチラ


寂水@FVB 吏族3級

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