以下の文章をもって公共事業に提出させていただきます。

 

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名称:・秘書官(職業4)
要点:・秘書官制服
周辺環境:・宰相府
→次のアイドレス:なし

 

・秘書官制服

 

秘書官といえば、大体の方が思い浮かべるのは大人っぽくてスーツなんかをびしっと着こなしていそうな色っぽいお姉さんカッコいいお兄さんであろう。
だが、だが今回、せっかくのアイドレス、せっかくの「要点:・秘書官“制服”」、これはあえて、あえて従来のスタイルを覆す提案をするためにも、私は秘書官制服にセーラー服を提案したい。

 

詳細はこうだ。

 

色は限りなく黒に近い紺色。
襟元には当然、基本である赤いスカーフ。
スカート丈はひざ上5センチ。
おみ足を包むはオーバーニーソックス&革のロングブーツ。

 

陽光の中、ひらりと舞えばふわりと広がる紺のスカート。
オーバーニーソックス(色指定可。開発チームは白か黒を推奨)に包まれたおみ足と広がるスカートの狭間から、白くも美しい太ももがちらりと見えるが、決して漢の浪漫は見えない全年齢対応安全安心設計。
坊やには夢と希望を与えつつ、ご年配の方にはほろ苦い青春の日々を思い起こしていただこうという憎い演出。
いまならセーラー服の裾からちょこっと覗く白いおへそもサービスだ。

 

これだけでも十分満足だが、これだけでは飽き足らない。

 

せっかくの機会、せっかくのチャンス、万能ねえやなバトルメードにも劣らぬ優秀な秘書官たちをしっかりちゃっかりサポートするために、制服は一品一品オーダーメイド。
頭の先から足の爪の先まで徹底的に計測して、ぴったりフィット、決して機敏な動きを邪魔しない仕上がりになっております。おまけに防弾防刃加工も施してある優れモノ。
さらにさらに、戦闘時、戦闘しやすいようにストレッチ素材(こちらも防弾防刃加工&汗を吸収・蒸散して快適な着心地を実現)で作ったタートルネックインナー&スパッツもご提供(色指定可。開発チームは黒を推奨)
戦闘時、インナーを着ていれば防御力を高めることができ、また、提供されたスパッツをスカートの下に穿けば、いくらスカートが捲くれようとも気にする必要はもうありません(でも、できることなら、普段はインナーも着ないでスパッツも穿かないでいただけると……いえ、なんでもありません。ついでに言うと、開発チームが当初計画していたブルマ案は世間の荒波に呑まれ泣く泣く変更を余儀なくされました)
ここからここからもう一声、今回は軽くて丈夫、これを履けばセンス向上、金城の姉(あね)さんにも負けないキック力を手に入れることができる革のロングブーツまでついてくる。

 

これで好きな人も心置きなく蹴りほーだい。

 

使用上の注意:この革のロングブーツはむやみやたらに蹴り行為を行うと大変危険です。戦闘、ツッコミ、または愛情表現以外での蹴り行為はお控えいただくようお願いします。

 

ここまでくればもう満足だろ? とか思ってるあなた、甘い、甘いですよ。
我が開発チームは妥協を許しません。
もちろんオプションにもこだわり続けていきます。

 

まずは基本として、わんわん、にゃんにゃんに対応した高性能イヌミミ、ネコミミセンサーを提供(イヌしっぽ、ネコしっぽ付)
さらに書類などを入れるための革製通学かばん、秘書官と書かれた腕章、めがね、ロザリオ、コンパクトに機関銃、青竜刀まですべてつけます。
腕章つけて自己中心的に己が向くまま突っ走って行くもよし、めがねをかけてめがねいいんちょ善行を気取るもよし、誰かとロザリオ交換して姉妹の契りを結ぶもよし、コンパクトを勢いよく開いて呪文唱えたり変身行為に走るもよし、機関銃乱射して「カ・イ・カ・ン」と悦に浸るもよし、青竜刀振り回して火焔になりきるもよし。

これでもう、ありとあらゆる事態に遭遇しようとも向かうところ敵なし。

 

……え? 男はどーすんだこの野郎、ですって?

 

大丈夫大丈夫、元々セーラー服は海軍の制服です。
それにいまの時代、高機動なナースさんや男の子のバトルメードだっているんですよ?
なんの心配もいりません。
堂々と華麗に着こなしていただきたい。
そしていつの日か語り継がれるのです。

 

その者、紺色(こんじき)の衣を纏いて宇宙世界に降り立つべし

 


・宰相府

 

わんわん帝國の最高権力機関にして千里眼、地獄耳と噂され恐れられるシロ宰相の根城。
中世バロック式建築の城に広大な庭園が広がっている。

 

庭園は常に手入れが行われており整備が行き届いているが、この庭園、ただの庭園ではない。普段は美しい花々が咲き乱れる桃源郷、最後の楽園を思わせるのだが、ひとたび不法侵入者が忍び込もうものならば、美しい花々が一変、食人花と化し、地面をシュルシュルとツタが這いまわり、侵入者の足を絡めとり、ゆっくりと花開く中心部へと引きずり込んでいき、最後に残るのは侵入者の断末魔のみ……
噂では、これまで愚かにも侵入してしまった侵入者たちの怨霊が、夜な夜な喰われた己の身体を求めて悲痛な叫びをあげながら彷徨っているという。

 

さて、次に城の内部を説明しよう。
正面の門から城内に入ると、まず、長い通路の左右に騎士の甲冑が剣を地面に突き立てた姿で何体も並んでいる。
これまた、不法に侵入した者が現れれば、ゆっくりと剣を構えて動き出し、侵入者に襲い掛かるのだ。一体、二体ぐらいなら、それなりの腕を持つものならわけはないが、甲冑が何体も何体も襲い掛かってくるうえに、甲冑たちには恐怖などないので、それこそ粉々になるまで破壊の限りを尽くさぬ限り襲い掛かられ続けるのである。
これでは大概の侵入者は、いずれ疲労の蓄積で戦闘を継続することができなくなり、やがて切り倒される運命が確実に待っている。

 

そんな酷い通路を抜けると赤い絨毯が敷き詰められた広いロビーにたどりつく。
ここまで来ればもう安心……なわけもなく、侵入者がふらふら歩けば突然床が開いて奈落の底にまっしぐらでサヨウナラ。


その後、誰もかの者を見たものはいなかった、というお約束が待っている。

 

そしてそんなロビーを乗り越えた先にやっと宰相の間が姿を現すのである。
ぽち姫の座る玉座よりも贅沢な椅子にゆったり腰掛け、侵入者を不敵な笑みで出迎えるシロ宰相。
まるでRPGのラスボスのごときその姿に、一瞬、侵入者は自分のことを勇者かなにかと錯覚してしまいそうになるが、そんなわけもなければ、決してエンディングにもたどり着けぬまま、真綿で首を絞めるようにじっくり丁寧にじわじわ侵入者を恐怖のどん底へと叩き落していくのである。

 

そんな阿鼻叫喚な宰相府であるが、これはあくまでも不法な侵入者に限っての話である。
正しき出仕者にはなにが起こるというわけでもなく、安心して作業に従事していただきたい。

 


文責:1700332 道化見習い

This page is 第4次公共事業 秘書官アイドレスのデザイン.