★シンデレラからサンドリヨンへ


 平成18年5月15日夕刻。NTT東日本のインターネットサービスの一部に障害発生。一部と言っても、ネット接続サービス「フレッツ」239万回線とIP電話「ひかり電話」50万回線、14都道府県である。かなり大きな一部です。
 その影響範囲にはFVBも含まれていました。真っ先に連絡途絶したのはオウサマ。おーい・・・・・・。
 すぐ携帯で復帰したものの、メッセンジャー等を動かすには能力不足。オウサマもスタッフ参加する予定だった、その夜のオンライン・セッション「E81偵察機迎撃作戦」は既にこの段階でぐちゃぐちゃです。中継役に代理を立てるとか、なんとかかんとか。
 幸い、直前には回線復旧したものの、なんとなくドタバタ感が残り、復旧を知らないのか、FVBチャットもなんとなく集まりが悪い。そして予定通り、オンセ開始。主戦場となったFVBから1名か2名、シンデレラ・ボックスに人を出せというお達し。
 本来芝村さんと戦闘指揮官だけで行う戦闘ゲームに、一般参戦者が参加できる枠がシンデレラボックス。この作戦にエントリーしていて、かつその場にいたのは私、曲直瀬りまくらい。支倉玲さんも応援RPには待機していたようだけれど、こちらには反応なく、他は既に待機しているオウサマや広島組。1人も出せないじゃ恥だし、何か不利益あってもつまらないと、(翌日もきちんと仕事あるのに)おっかなびっくりで名乗り出てそのままボックス・シートへ。

 さて、きみこさんという人がいます。先ターンまでFEGにいた人で、今はFVBに籍を置いています。別に名前が似ていて国を間違えたわけじゃなく、ただあちこちの国をみたいということで放浪中の身。で、芝村さんにも指摘されてしまったけれど、私ら夫婦です。

「わー、ボックスシートだ。すごいねー。応援してあげるよ。アシスタントかな。お茶入れましょうか、肩もみましょうか?」

 私のボックス入りを知ってはしゃいでいたきみこさんですが、他に適任がいないということで仲良くボックス送りに・・・・・・夫婦でシンデレラはないよねえ?

 しかし、2人そろってシンデレラボックスに入ったところで、何をしたらいいのかよく分かってない。かくして夫婦揃って隣同士でパソコンに向かい、深夜まで必死の一夜。事前の「お茶入れましょうか、肩もみましょうか?」どころではなく、舞台裏では「なにやってんの!?」「うるさい、だまれ!」「左舷、弾幕薄いぞ」と罵詈雑言の嵐。
 とにかくメッセンジャーで『とにかくロールプレイで間を持たせて』『時間を稼いで』とのお言葉に、あれやこれや、その時点で、その場にいて感じているであろうことを書き、やっているであろうことを書き、と右往左往。「手の空いている者は今のうちに腹ごしらえをしておけ」と書いた途端に、すぐ隣から「そんな暇あるわけないじゃない!!」と罵声。ログでは「手なんてすいてないよっ!腹ごしらえはもう十分(FVBの美味しいおにぎりをはむはむしながら)」などと和やかな雰囲気ですが、現場はそんなもんじゃなかったです・・・・・・。
 実際の経緯はテンダイスやログを参照してもらいましょう。
http://gamechaki.kotonet.com/kohya/log.html

 いやあ、ひどい戦いになりました。偵察機相手なのに……。

「結果、自分なりに精一杯やったものの、初手でわたわたして対応できなかったミスを取り戻すことができず。FVBには核は落ちなかったものの、 “推定20メガトン級(宇宙では)小規模戦術核”が落ちたお隣の広島は消滅して海となり。宇宙ステーションは破壊され、FVBには死の灰が降ることになったのでした。広島ごめんなさい。」


 シンデレラ・ボックスといっても特に何するわけでなく、指揮官がちゃくちゃくと作戦指示をしている間、ロールプレイをしながら場に存在しているだけですが、ふいに話を振られるのですね。今回の場合は、いったん出された砲撃命令をキャンセルできるかどうかボックスにいる者の能力次第だったわけですが、数値を出せと言われたのが自分たちだと気づかず、指揮官に指示していたものと思いこみ、反応が遅れてしまいました。

「でも、指揮官が出してもカウントダウンが止まらなかったんですよ。だったら改めて私たちからも提出しようと気づくべきだったと思うんです。ところが、私はワタワタしていて指揮官が提出した事自体に気づいてなくて。「指揮官、早く提出してー」と思っちゃってたんですね。ちゃんと状況を把握していなくて、頭を使うべき時に使えなかったと思います。まず一つ目反省。」

「あれでFVBが爆撃受けて死者が出ることになってたら、うちの国のエステルが身代わりになってたところなんですよねえ…。恐ろしい。」

 まあねえ、相手の正体も意図も戦力も読めなかったわけですから、隠れ続けるか、迎撃して偵察妨害するしかないわけです。もちろん平和的にコンタクトを試みる選択肢がないわけではないけれど、「宇宙戦用の自衛兵器である熱核ミサイルを惑星内戦闘で使う」ってことは、もともと戦うつもりだったと思ってもいいでしょう。
 「恒星間航行能力を持つ文明が、使ったらどうなるかわからない筈が無い。しかも殲滅OK。もし生き残ってたらドレイにしてもいいかな?って。彗星帝国のやり口を思い出すなぁ・・・・・・」とは、お友だちのヤマザキさんの感想。今さら交渉を期待できるほど平和的でもなければ思慮深くもなさそうです(お互い様だけど)。

「エステルとは色々お話できちゃいました。とゆーかエステルの名前出したらエステル出てきてびっくりした。そ、そうか、いるんだもんねそこに。でもってウチの国のひとなんだもんね。うかつでした。なんかもー思いっきりバカにされてる感じですが、仲良くなりたいなあ。「(全部粛清すればいいのに)」なんて言われてるけど!」

 そう。これがぼくの反省点。
 エステルがそこにいると知っていて(わざわざ戦闘参加者リストを確認していた)、相手の正体が不明なんだから、せめてロールプレイでいちばん最初に情報を引き出す工夫をすれば良かったですね。

「招致ACEにエステル希望した経乃さんや寂水さんに会わせてあげたかったなあ。」

 尾崎さんなんかエステル好き。でも、代わってあげれば良かったねと言ったら、「そしたら緊張して何もできなくなります」と言われたよ。

「後半は必死こいてRPして、あれは自分なりの精一杯だったけど、「宇宙港を守る」という大目標を達せず、気持ちが晴れません。ごめんねー、最初に外見の評価値の提出ちゃんとできてれば。灰かぶりとなってしおしおと退場するシンデレラ二人。いつもは私がへこむとダンナがフォローしてくれるけど、今回はあちらも当事者なのよねえ。」

 シンデレラボックスに求められているのは、「現場での直接介入による指揮とかの応援・修正」のようなので、そのあたりをもう少し意識すれば良かったね。もちろん、そういうことは考えてはいたんだけれど、まだ足りなかったかな。もう少し、裏で参謀の動きを注意できたと思う。
 あと、後半はできるだけ情報を引き出すような発言を心がけていたけれど、これは最初から心がけるべきだったと思います(エステルの件も含め)。

「とはいえ、やらかした本人が言うのも何ですが、前を向きます。失敗は今後の糧とするように。そして100億円かき集めれば今ターン中にステーションを修復できるとのことなので、がんばって稼ぐぞ!」

 死んだ子の年を数えるわけじゃないけれど、次の機会のどこかの誰かの参考になるかもしれないと思ったので、まあ、恥をさらして書いておくことにします。
(曲直瀬りま記す)
This page is シンデレラボックス体験記.