〜 藩国漫遊記1 〜

−−−はじめに−−−
このSS群は、私が各藩国のチャットに
遊びに行った時の様子を元に作成されたSSです。
ネタとして使用を快く許可してくれた
になし藩国、たけきの藩国、詩歌藩国のみなさま、
どうもありがとうございました。

それでは作品の方をごゆるりとお楽しみ下さい。

−−−旅立ち編−−−
午後の日差しが窓から差し込む中、
一人の吏族が真剣な表情で筆を走らせていた。
傍らのゴミ箱には既に何枚もの書き損じが放り込まれていた。

脳 内 会 議 中

長方形の真っ白な紙の上に流麗な筆跡で文字が描かれていく。

真剣な表情で最後の一文字を書き終えると、
ふぅと一息をついて満足そうに用紙を眺める。

「よし、こんなもんだろう。」

彼はそう呟きながら、傍らのテープを使って
自らの後頭部に先ほどの紙をセットすると
机の上に突っ伏した。

(なんか最近雰囲気が悪くない?)
(うまくはいえないけど、なんか良くないね。)
(交流が無いからかな?)
(あ〜それっぽい気はする。)
(よし、じゃあ交流促進でもやりますか。)
(どうやって?)
(なんか適当に。)
(適当って・・・)
(じゃあ、他国の会議室にアポ無し突撃☆)
(よし、それいってみよう)
(え、マジ?)
(マジ)

「そっかー、マジならやるしかないねぇ」
誰もいない部屋で危険な独り言を口走りながら目を開けた彼は、
”あそびにいってきます”と
書置きを残して部屋を後にした。

−10分後−

旅支度を整えて廊下を歩いていると、
すれ違う人から妙に注目を集めている気がする。

変な格好はしてないはずなんだけどな〜と
自分の格好を再チェックしながら歩いていると
前方に同じ吏族仲間である時雨さんを発見する。

「やっほ〜」
「こんにちは、そんな格好してどうしたんですか?」
「ちょっと遊びに行ってこようかと。」
「てっきり旅行にでも行くのかと思いましたよ。」
「まぁそんなところ。」

雑談をしながら、先程から気になっている事を確認する。

「俺って変な格好してる?」
「はぁ、頭の中以外は普通だと思いますけど。」
「だよなぁ。」

どうやら杞憂だったらしい。
自意識過剰はイカンよね。
ありがとーと手を振って出口へと向かう。

「そうだ、一応ツッコミ入れて欲しそうだから言っておきますけど」
ちょっと遠くから時雨が声をかけてくる。
「後頭部のソレ、今度は何の遊びなんですか?」

『脳内会議中』と書かれた紙が寂水の後頭部でヒラヒラと揺れている。

「いっけねー、忘れてたわけがないですよ?わざとですよ?」
「い、いやそれならいいんですけど。」
「ごめんウッソー、忘れてたー♪いやーお恥ずかしい。」

はっはっはと笑いながら紙を剥がと、
反応に困る時雨を尻目に陽気に歩き出す。

「それじゃー行ってきま〜す」

続く

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